日頃見かける広告の中で、新聞の折込チラシは最も馴染みのある広告の1つです。
この折込チラシ。チラシ自体の歴史はとても古く、安土桃山時代にはすでに存在していたといわれています。かつてチラシは「引札」と呼ばれていました。「人目を引く札」「客を引く札」という意味です。初期のものは手書きでしたが、江戸時代になると木版刷りが導入され、大量生産されていきます。
江戸時代までは商店の店先に貼ったり、街頭で通行人に配布したり、現在のDMのように顧客宅に配ったりといった使い方がされていました。しかし、明治に入ると新しい時代の象徴として登場した、新聞と結びつくことになります。
新聞社にとっては本体だけで売るよりも『付録』を付けた方が客のウケがよく、折込料も手に入ります。また、広告主は手配りより効率よく配布できるため、以後、新聞とチラシは深くつながっていきます。
時代が大正になると、「引札」は「チラシ」と呼び名が変わります。「チラシ」の語源は「散らす」であり、新聞の発展にともなって広範囲に「散らす」ことが可能になったためです。
その後の昭和初期は、折込チラシにとってつらい時期でした。世界恐慌や戦争の影響により、一時姿を消してしまうのです。復活したのは戦後の復興期でした。そして昭和30年代、スーパーマーケットの時代がやって来ると、急速に部数の増加やデザイン手法の発展が見られるようになり、現在に至ります。
長い間、私たちの生活に寄り添ってきた折込チラシ。これからも身近な情報源として、私たちの暮らしを支えてくれるでしょう。